鼓膜チューブをいれている時の注意

日常生活では

 

1.チューブをいれた場合は、鼓膜に常に穴が空いている状態ですのでお風呂では注意が必要です。髪を洗ったりする時には、お水が入らないように耳を抑えたりシャンプーハットの使用を考えられてください。下の方にもあげている耳栓の使用が望ましいかと思います。

 

2.お鼻をつよくかむことを避けてください

   お耳に穴が空いた状態では、お鼻に強い圧をかけると、鼻水がお耳に飛びやすくなります。風を引いている時などは、汚い鼻水がお耳に飛ぶことになり中耳炎の危険が高まります。

 

チューブを入れたら水泳ができない?
   チューブの直径は1mm強と非常に小さく、十分落ち着いた状態であれば、表面張力もあり水が大量にはいることはないといえます。実際、チューブをいれた場合でも、浅い水泳をしただけでは、耳栓をしなくとも殆ど中耳腔に水が入らないという論文もあります。
(Mao-che Wang,JCMA,2009.  R L Hebert, Archives of Otolaryngology,1999)
 ただシャンプーなど真水でない場合はこの限りではないようですから、お風呂などはやっぱり注意が必要でしょう。
 
  先生によってはチューブ挿入の後に水泳を禁止されることもあるかもしれませんが、こうしたことを考えるとある条件の元には水泳は可能と考えます。
  
  私自身も以下のようにお話して泳いでも良いという説明をしています。

 1. 耳栓をしていただく

  やはり念には念をいれて。できれば密閉度の高い耳栓を使われるのがいいでしょう。医療用のものも安価で手に入りますし、スポーツ用のものでもいいかと思います。

   

 2. 潜水や、飛び込みなど水が入りやすい行為は避ける

 

 3. 万が一水が入ったと思った時は速やかに専門医に見せる

    できれば翌日までに耳の中をみてもらった方がいいかと思います。予防的に抗生剤の点耳液などを処方しておき、使っていただく場合もあります。
 
   お耳の状態もありますのでプールの始まる前に担当の先生とよくお話されてください。

チューブを入れた後の定期診察は大切です

 チューブを入れると、滲出液がたまらなくなり、症状が楽になります。しかし、だからといって診察を受けなくなるのは問題です。 


 前のページでも書きましたが、意外と早くチューブが抜けてしまうことがあります。写真は、右側に入れたチューブが抜けてしまったところです。チューブには耳垢もつきやすいため、これも定期健診でとってもらう必要があります

次の写真は、同じく右側に入れたチューブが鼓膜の内側に落ち込んで、しかもそのまま鼓膜がふさがってしまった方です。鼓膜に透けて緑色のチューブが見えています。


 この場合、もう一度鼓膜切開を行いチューブを摘出して、入れ直す必要があります。